季節を問わない結びの言葉(挨拶)
手紙の結びの基本となる「季節に関係なくビジネスやプライベートでオールシーズン使える手紙の結びの言葉、結びの挨拶」の書き方と例文をご紹介しています。
手紙の「結びの言葉・結びの挨拶」の基本
このページでご紹介している「オールシーズン使える結びの挨拶」の決まり文句の例文は、手紙の結びの挨拶・結びの言葉の書き方の基本といってもいいでしょう。
結びの挨拶(結びの言葉)とは、手紙の主文(本文)が終わった後、改めて終りのご挨拶をすることです。
さらに、結語とで「文末」を構成します。
主文(本文)の内容や送る相手によって、幾通りかの言葉を使い分け、簡潔に書き添えるのが基本です。
手紙の結びの挨拶文は、下画像の「末文」の部分です。
※ はがきの場合、文面に余裕がなければ、手紙の「後付け」にあたる日付や名前は省略します。
参考ページ:手紙の書き方の流れと例文
オールシーズン使える手紙の結びの言葉・結びの挨拶・例文・文例
普通の結び(ビジネス・プライベート共通)
(結びの言葉は、年賀状とか、暑中見舞い、弔慰状にはつけなくてもよい)
- まずは右まで。
まずは要用のみ。
上の二つは、どんな用件にも共通で使えます。 - まずはお知らせまで。
「お知らせ」の部分を手紙の内容に合わせて差し替えれば共通に使えます。
「お願い」、「お頼み」、「お詫び」、「ご案内」、「お祝い」、「お見舞い」、「お悔やみ」など。 - 右ご報告申し上げます。
「ご報告」の部分を手紙の内容に合わせて差し替えれば共通に使えます。
「ご通知」、「ご連絡」、「ご依頼」、「ご紹介」、「ご照会」など。 - 右略儀ながら書中をもってお返事申し上げます。
「お返事」の部分を手紙の内容に合わせて差し替えれば共通に使えます。
「御礼」、「ご依頼」、「おたずね」など。 - 取り急ぎ近況お知らせ致します。
- この段お知らせかたがたお願いまで。
- 取り急ぎ要用のみ申し述べました。
- 右お返事まで。
- 略儀ながら書中でごあいさつ申し上げます。
- 失礼をも省みず書中御詫び仕ります。
- ご清諾(ごせいだく)賜れば幸甚(こうじん)の至りに存じます。
- これにて擱筆(かくひつ)いたします。
相手の自愛を祈る結び
- どうぞお大事に。
- ご活躍を祈ります。
- ご多幸を祈ります。
- 切にご自愛を祈りあげます。
- 気候不順の折り、ますますご自愛くださいますよう念じあげます。
- 天候不順のみぎり、どうかお体を大切になさってください。
- 時節柄、ご健康には一段とご留意のほどを。
- 時節柄、一層のご自愛をほどをお祈りいたします。
- 末筆ながら、ますますのご健勝とご多幸をお祈り申しあげます。
- 末筆ながら切にご自愛のほど願いあげます。
- ○○様のご健康をお祈りしつつ、お礼(お知らせ・お願い)申しあげます。
乱筆乱文を詫びる結び
(改まった手紙や目上の人あての謙遜した結びの言葉)
- 乱筆お許しください。
- 乱筆乱文ご容赦。
- 乱筆乱文よろしくご判読願いあげます。
- 乱筆いくえにもお詫び申し上げます。
- 事情ご推察のうえ、乱文ご海容ください。
- 拙筆のうえ急ぎ書きあげましたため、委曲を尽くし得ず、失礼の段ひらにご容赦ください。
- 心せくままの乱筆、なにとぞお許しの程を。
- 意中おくみとり願わしう存じます。
迷惑をかけることを詫びる結び
- まことに身勝手なことのみ申し述べましたこと、なにとぞお許しください。
- 失礼をもかえりみませず、貴重なお時間を拝借いたしましたこと、心からお詫び申しあげます。
- いろいろ勝手なお願いばかり申しあげ、ご迷惑をお掛け致しましたこと、心からお詫び申しあげます。
- 以上、無理を承知の申し状、さぞご迷惑のこととは存じますが、ご寛容ください。
- せっかくの仰せ越しに添えませず、心苦しく存じますが、どうかお許しください。
- せっかくのご厚情を無に致し、申し訳ございませんが、事情ご推察くださるよう願いあげます。
返信を求める結び
- お手数ながらお返事をお願いいたします。
- ご迷惑とは存じますが、ぜひともお返事を賜りたく願いあげます。
- 失礼とは存じますが、返信用の封筒を同封いたしおきました故、お返事のほど願いあげます。
- ご面倒ながら、○日必着にて出欠ご一報ください。
- お返事お待ち申しあげております。
- 折り返しお返事のほどをお待ち申しあげております。
- なにぶんのお返事願いあげます。
- ご多用のところ誠に恐縮に存じますが、ご回答賜りたく、ひとえに願いあげます。
- 恐縮ながら折り返しご内意を承りたく、よろしくお願い申しあげます。
- 当方の都合もあります故、至急ご返信願いあげます。
- なにぶんのご沙汰をお待ち申しあげております。
- 貴意を得たく愚札を呈上いたした次第でございます。
- お返事を賜らば幸いに存じます。
返信にかえて後日の約束をする結び
- まことに勝手ではございますが、近日中にお邪魔致しご内意を伺いたく存じますので、その節にはよろしくお願い申しあげます。
- なお、お返事につきましては、両三日のうちにお電話差しあげたく存じますので、なにぶんのご配慮をお願い申しあげます。
- ご多忙の中、ご迷惑とは存じますが、ぜひ一度拙宅までお立ち寄りいただければと存じます。
次の音信、面会を期す結び
- なお、詳細は改めてご連絡申しあげます。
- 詳細は次便に譲らせて頂きます。
- 詳細は後便にて申しあげます。
- なお、詳細につきましては、近日中に次便をもって重ねて申しあげます。
伝言を頼む結び
- どうぞご主人様へよろしく願いあげます。
- 末筆で恐れ入りますが、皆様によろしくご披露の程願いあげます。
- この趣、皆様にご伝言ください。
- はばかりながら皆々様にもよろしくご伝声のほどを願いあげます。
伝言を取り継ぐ結び
- 父からもよろしく申しあげますよう、もうしつかりました。
- 父からもくれぐれもよろしくとのことばでございます。
- 姉からもよろしくとの伝言でございます。
今後の事を頼む結び
- なにぶん今後ともよろしくご教導賜りたく存じます。
- 今後ともご高配を賜りますよう、よろしくお願い申しあげます。
- 引き続き倍旧のご厚情を賜りたく、切にお願い申しあげます。
- 今後とも倍旧のご愛顧のほど、ひとえにお願い申しあげます。
- なにとぞ、末長くご支援のほどを願いあげます。
- なお、今後ともよろしくご指導のほど願いあげます。
結語(留め書き)
結語は「留め書き」とも呼ばれ、手紙文の末尾に添える慣用語の事です。
ただし、年賀状や暑中見舞い、死亡通知などにはつけない。
【結語(留め書き)の使い方】
起首(頭語)と対応して用いるようになっています。
(起首(頭語) ⇒ 起首に対応した結語)
- 「拝啓」 ⇒ 「敬具」、「敬白」(一般的な手紙)
- 「前略」 ⇒ 「草々」(前文省略の場合)
- 「謹啓」 ⇒ 「謹言」、「謹白」、「謹上頓首」(丁寧な手紙)
- 「粛啓」 ⇒ 「頓首」、「再拝」、「頓首再拝」、「九拝」(敬意を表す手紙)
- 「恭啓」 ⇒ 「頓首」、「再拝」、「頓首再拝」、「九拝」(敬意を表す手紙)
- 「急啓」 ⇒ 「草々」(急用の場合)
- 「拝復」 ⇒ 「草々」、「敬具」(返事の場合)
- 「再啓」 ⇒ 「草々」、「敬具」(再信の場合)
- 「冠省」 ⇒ 「不一」、「不尽」、「不乙」、「不悉」、「不備」(十分に意を尽くせなかった場合、言葉づかいの足りなさを詫びる場合)
※ ただし、上記組み合わせ以外の使用例もあります。
例えば、「急啓」⇒「不尽」や、起首(頭語)を書かずに結語のみ使用する場合などがあります。
参考ページ :手紙の起首(頭語)と結語のルール
女性用の結語
起首(頭語) ⇒ 結語
- 「拝啓」 「謹啓」 ⇒ 「かしこ」
- 「謹んで申しあげます」 「前文失礼いたします」 ⇒ 「かしこ」 「あらあらかしこ」
女性が書く丁寧な手紙に用いられる「かしこ」は、起首(頭語)を書かない場合でも使われています。
また、「かしこ」は相手への敬意を表す言葉ということもあり、一般的に女性が目上の方に対して使われることが多いようです。
お祝い事には、「めでたくかしこ」が用いられる事があります。
返信用の結語
- 「拝答」、「啓答」
うやまってお答えするという意味で、より丁寧な場合は、「貴酬」、「謹酬」を用いる事があります。
また、返信する手紙の結語の「拝答」、「啓答」や「貴酬」、「謹酬」などに対応した起首(頭語)は、「拝復(はいふく)」や「復啓(ふくけい)」、「謹復(きんぷく)」などを用います。
- 「拝復(はいふく)」、「復啓(ふくけい)」 ⇒ 「敬具」、「拝答」、「啓答」
- 「謹復(きんぷく)」 ⇒ 「敬具」、「貴酬」、「謹酬」
※ オールシーズン使える手紙の結びの言葉の参考ページ